专利摘要:
改善された反射防止用被覆のための方法及び装置が提供される。ロール・ツー・ロール製造環境における、透明導電電極の非真空蒸着が開示される。本発明の1実施形態においては、実質的に透明な基板の表面上に形成された多層反射防止用被覆を含む装置が提供され、該多層反射防止用被覆は複数のナノ構造の層を含み、その複数のナノ構造の層のそれぞれは調整された多孔率を有し、また少なくともいくつかのナノ構造の層は、その複数の層により異なる屈折率を発生させるため、異なる多孔率を有する。いくつかの実施形態では、この反射防止用層と共に用いられる吸収体層は、IB−IIIA−VIA族の吸収体層である。
公开号:JP2011505267A
申请号:JP2010533316
申请日:2008-11-10
公开日:2011-02-24
发明作者:アール. シーツ、ジェームズ;エム. セイガー、ブライアン
申请人:シーツ、ジェームズ アール.SHEATS,James R.;セイガー、ブライアン エム.SAGER,Brian M.;
IPC主号:B32B7-02
专利说明:

[0001] 本発明は、一般的に被覆に関する。より具体的には、本発明は光起電装置及び/又はモジュールのための反射防止被覆に関する。]
背景技術

[0002] 反射防止用又は反射防止(以下、AR)被覆は、光インターフェースにおける反射を低減するために設計され、したがって、潜在的にそのインターフェースを透過する光の吸収を増大させる。典型的には、AR被覆は、層の厚さが光インターフェースから反射した光線への相殺的干渉をもたらす層、及び同時に対応する透過光に建設的干渉もたらす層の、対照的な屈折率を持つ交互の層から構成される、透明な薄膜の積層から成る。]
[0003] 典型的には、AR被覆は、その反射係数の直接的低減のみばかりではなく、薄層により生成される干渉現象を活用するためにも、AR積層中の中間層に依存する。正確に4分の1波長の被覆では、入射ビームは2番目の干渉インターフェースから反射された場合、その波長の半分に等しい距離を移動することになり、この距離が第一の表面に達する光よりも、より遠く移動する距離となる。両方の光路が同一の強度を持つ場合、その2つは180度の位相の不一致を持つことになり、完全な相殺的干渉が、その光路の相互作用から生じる。したがって、表面からの反射は無くなり、全ての光は干渉インターフェースを通して伝達される。これが理想的なAR被覆の原理である。]
[0004] 単層被覆、多層被覆、及びナノ構造被覆を含む、いくつかのAR被覆の構造がある。
単層被覆は典型的には、その屈折率が基板の屈折率の平方根に等しい、光学的に透明な物質よりなる単一の4分の1波長層から構成される。このことは、中央波長においてゼロの反射率をもたらし、中央波長周辺の波長帯の波長については減少した反射率をもたらす。例えば、クラウンガラスは約1.52の屈折率を持つため、理想的な単層AR被覆は約1.23の屈折率を持つことになるが、この値に近い屈折率を有するバルク材は存在しない。近似的な一致は、約1.38の屈折率を有するフッ化マグネシウムに見出すことができる。クラウンガラスについては、約150nmのMgF2層が約1%の反射率をもたらし、これは被覆されていないクラウンガラスの4%の反射率よりも4倍優れている。]
[0005] 多層被覆は、低屈折率の層と、より高い屈折率の層を交互に堆積することにより形成され、単一波長において0.1%という低い反射率までの低減が可能である。広い波長域での反射率の低減は、より複雑で高価なAR積層構造により増大させることができる。AR機能における更なる改善は、積層内のさまざまな表面からの最大の相殺的干渉を生成できる、多層の積層の使用により可能である。例えば、2番目の4分の1波長の暑さの層を、低屈折率の層と別の層との間に形成することができ、3つ又はそれ以上のインターフェースからの反射が付加的な相殺的干渉を生成する。]
[0006] ナノ・スケールでの機械的エッチングは、AR被覆として機能し得る粗面を生成することができる。例えば、ソーダライムガラスの酸によるエッチングは、エッチングされた溝の山と谷の間に形成された空洞域に起因して、屈折率を約1.27に変化させる。しかしながら、廃棄物処理が重要であり、かつ環境への最小限の影響が求められている高容量の製造プロセスにとって、酸によるエッチングは強引な戦略である。]
[0007] より秩序化されたナノ構造被覆を、適切に低い屈折率へ接近するために用いることができ、この場合には、被覆材料は空気により薄くすることができるため、多孔率が最適な屈折の総合指数を得るための調整機構となる。この多孔率を得るための1つのアプローチは、粒子間接着を促進するために、同様の粒度を持つSiO2のナノ・スケールの回転楕円体を、ゾルと共に焼結することである(ドイツ特許第199 18 811 A1号参照)。この場合、緩やかに形成された粒子被覆の間の空隙は、合計の屈折率を低減する空洞域を提供する。しかしながら、これらの被覆は磨耗による機械的攻撃を受けやすいことが見出されており、したがって、その長期的な耐久性は低い。]
[0008] 代替的に、多孔性のAR被覆を1%より少ない有機成分を含む水性システムを用いて形成されたゾルにより得ることができ、この場合ARの性質は優れており、機械的強度も高く、耐摩耗性も良好である(米国特許第7,128,944 B2号 、ベッカー(Becker)ら)。しかしながら、この被覆形成プロセスは、被覆された基板を横切る筋により典型的に示される、被覆された膜の機能と外観に影響を及ぼす、構造的な不均一性をもたらす。]
[0009] ナノ構造のAR被覆への別のアプローチは、2つの粒度のSiO2のナノ・スケールの回転楕円体を用いるものであり、より小さい粒子は、変更された屈折率及び良好な焼結(したがって、最小限の筋を持った均一な厚さ)の両方に寄与し、このことは、非常に小さな粒子(4〜15nm)による高い表面積対容積比により与えられる高い化学反応性、及び大粒子による屈折率変更と、下部のガラスに対する化学的接着の双方への寄与、並びに調整されたAR機能性の良好な光学的性質に起因する(米国特許出願公開第2004/0258929号を参照)。しかしながら、2つ又はそれ以上の粒経を使用する製造プロセスは、特に粒子が共に凝集しやすい場合に、不均一な被覆を形成しやすい。凝集は、筋及び低減されたAR機能性を含む他の光学的欠陥をもたらす可能性がある。更に、その被覆工程は比較的複雑であり、3つの個々の被覆成分(ゾル、小粒子、大粒子)のほぼ均一な塗布が要求され、被覆工程の前及びその間のこれらの粒子の均一な混合が必要である。]
発明が解決しようとする課題

[0010] 本発明の実施形態は、上記で説明された難点の少なくともいくつかを解決する。本発明のいくつかの実施形態は、反射防止用被覆を形成するための、ゾル−ゲルに基づく化学的プロセスの使用を提供する。これは剛体の基板及び/又は柔軟な基板に用い得る。本明細書において記載される、これら及び他の目的の少なくともいくつかは、本発明のさまざまな実施形態において満たされる。]
課題を解決するための手段

[0011] 本発明の1実施形態においては、実質的に透明な基板上に形成された多層反射防止用被覆を含む装置が提供され、この多層反射防止用被覆は、各層が調整された多孔率を有し、少なくともいくつかのナノ構造の層が、異なる屈折率を生じさせるための、異なる多孔率を有する複数のナノ構造の層を含む。]
[0012] 本発明の実施形態は、以下の特性の1つ以上を含むように修正可能であることが理解されるべきである。1実施形態では、前記多層反射防止用被覆は階調のある屈折率を有する。任意に、各ナノ構造の層は異なる屈折率を有する。任意に、各層の多孔率は、その層の屈折率を変更するために、その他のいずれの層の多孔率とも異なる。任意に、前記ナノ構造の多孔層は、そのネットワークに入射する可視光のほとんどを捕捉する光学経路を提供する、多孔質のネットワークを画成する。任意に、前記3次元の多孔質のネットワークは、実質的に透明な基板を通してその下層にある光起電性吸収体層への光透過率を増加させる。任意に、約300nm〜約1300nmの入射光の光収集は、少なくとも95%である。任意に、約300nm〜約1300nmの入射光の光収集は、少なくとも90%である。任意に、約300nm〜約1300nmの入射光の光収集は、少なくとも85%である。任意に、約400nm〜約1600nmの入射光の光収集は、少なくとも95%である。任意に、約400nm〜約1600nmの入射光の光収集は、少なくとも90%である。任意に、約400nm〜約1600nmの入射光の光収集は、少なくとも85%である。任意に、前記多層反射防止用被覆は、基板と共形である。任意に、細孔は、ナノ構造の多孔質層中のナノ構造を画成するために細孔を充填する物質により充填され得る。任意に、細孔は、ナノ構造の多孔質層中のナノ・ワイヤーを画成するために細孔を充填する物質により充填され得る。任意に、層の少なくとも1つの細孔は、透明な細孔を充填する物質により充填され得る。任意に、層の少なくとも1つの細孔は、以下の物質により充填され得る:チタニア(TiO2)、有機物質、染料、顔料、又は共役高分子。任意に、ナノ構造の多孔質層の少なくともいくつかは、異なる物質で作成される。任意に、多層反射防止用被覆の最上層のナノ構造の多孔質層は、下層のナノ構造の多孔質層とは異なった物質を含む。任意に、多層反射防止用被覆の最上層のナノ構造の多孔質層はシリカを含み、下層のナノ構造の多孔質層はチタニアを含む。任意に、多層反射防止用被覆の最上層のナノ構造の多孔質層はチタニアを含み、下層のナノ構造の多孔質層はシリカを含む。任意に、各ナノ構造の多孔質層は、以下の物質の少なくとも1つから形成される:チタニア(TiO2)、シリカ(SiO2)、酸化亜鉛(ZnO2)、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化スズ、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化カルシウムチタン、又は2つ以上のかかる物質の混合物。任意に、前記層は、サイズにおいて約5nm〜約400nmのナノ構造の自己組織化細孔を含む。任意に、前記層は、直径において約2nm〜約500nm、又は直径において約40nm〜約100nm、又は直径において約10nm〜約30nmのナノ構造の自己組織化細孔を含む。任意に、前記細孔は、約1nm〜約200nm、又は約1nm〜約100nm、又は約10nm〜約50nm、又は約20nm〜約40nm、又は約30nmの平均直径の細管細孔を含む。任意に、前記反射防止用被覆は、以下の1つ以上のものの上に形成される:ガラス、透明な柔軟な基板、ポリマー基板、ソーダライムガラス、ソーラーガラス、強化ソーラーガラス、強化ガラス、非強化ガラス、ガラス−箔ソーラー・モジュール、ガラス−ガラス・ソーラー・モジュール、透明な剛体基板、透明な柔軟な基板、柔軟なモジュール、又は前述のものの組み合わせ。任意に、多層反射防止被覆の表面に、表面保護層が与えられる。任意に、多層反射防止被覆の表面に、UV吸収体が与えられる。任意に、耐湿層及び耐擦過層が含まれる。任意に、表面保護層としてフッ素樹脂が反射防止被覆に積層される。任意に、前記装置は反射防止用被覆と併用して、以下のもののうちの少なくとも1つを更に含む:窒化物、酸化物、オキシ窒化物、又は水若しくは空気への曝露に対して保護する他の無機物質。任意に、前記装置は、無機誘電体を含まない有機物質の多層積層を含む多層積層、又は箔を有する反射防止用被覆に当接する密封剤を更に含む。任意に、前記装置は、前記透明基板から光を受け取る位置に配置された第IB−IIIA−VIA族の光起電性吸収体層を更に含む。]
[0013] 本発明の別の実施形態では、実質的に透明な基板の表面に形成される多層反射防止用被覆を含む装置が提供され、この多層反射防止用被覆は複数のナノ構造の層を含み、各層は、約2nm〜50nmの空間的尺度内の少なくとも1つの寸法を有する複数の自己組織化ナノ構造を含む。]
[0014] 本発明の実施形態は、以下の1つ以上の特性を包含するように修正可能であることが理解されるべきである。1実施形態では、前記装置は、前記透明基板から光を受け取る位置に配置された第IB−IIIA−VIA族の光起電性吸収体層を更に含む。任意に、前記AR被覆が堆積され、次いで、AR被覆が積層内の任意の位置にあることのできる多層の積層を形成するために、他層との間に挟まれる。任意に、前記AR被覆は、レンズ、カメラ、顕微鏡、他の光学装置、フィルター、画像ディスプレー、又は薄型ディスプレーの被覆を含む広範囲の光学的適用に用いることができる。]
[0015] 本発明の更に別の実施形態では、各層の多孔率を以下の少なくとも1つにより調整する、複数のナノ構造の多孔質層を形成することより成る反射防止膜の形成方法が提供される:ゾル−ゲルのプロセス、界面活性剤によるテンプレート、及び/又はナノ多孔質被覆をポリマー性前駆体より形成し、熱、プラズマ又はオゾンにより有機部分の分解を用いるものであり、前記ナノ構造の成分が、細孔、充填された細孔、及び/又はチャンネルの少なくとも1つを含むもの。]
[0016] 本発明の実施形態は、以下の1つ以上の特性を包含するように修正可能であることが理解されるべきである。1実施形態では、各層は約3nm〜約50nmの直径を有する構造であって、隣接する構造との間に約10nm〜約50nmの間隔を持つ、規則的配列構造を含む。任意に、各層は約10nm〜約500nmの直径を有する構造であって、隣接する構造との間に約10nm〜約500nmの間隔を持つ、規則的配列構造を含む。任意に、前記方法は、多孔質層中の複数のナノ構造を画成するために、細孔充填物質により細孔を実質的に充填することを更に含む。任意に、前記方法は、前駆体物質と溶媒を含む、処理溶液の形態で提供される有機細孔充填物質を使用することを含む。任意に、各ナノ構造の多孔質層は、約50nm〜約1μの厚さである。任意に、本発明の1実施形態は、多孔質層中に構造を画成し、ナノ構造の細孔層を除去し、構造間に間隔を有する配列構造を残すために、細孔充填物質により細孔を充填することを含む。]
[0017] 任意に、前記ナノ構造の層は、自己組織化プロセスを用いて形成され得る。任意に、前記ナノ構造の層は、ゾル−ゲルのプロセスを用いて形成され得る。任意に、各ナノ構造の層は、溶液蒸着プロセスを用いて順次形成され得る。任意に、複数のナノ構造の層は、焼結することなく形成され得る。任意に、前記反射防止膜は、個別の太陽電池上に形成され得る。任意に、前記反射防止膜は、ソーラー・パネルの実質的に透明な最前部の層上に形成され得る。任意に、前記反射防止膜は、その上に全くガラスを持たない太陽電池の上に直接形成され得る。]
[0018] 本発明の更に別の実施形態では、第一の多孔率を有する第一のナノ構造を形成すること、細孔の直径を変化させ、第二の多孔率を有する第二のナノ構造を形成すること、及び細孔の直径を変化させ、第三の多孔率を有する第三のナノ構造を形成することを含む反射防止膜の形成方法が提供され、この場合に、各層は異なる細孔のサイズに起因する異なる屈折率を有し、上記の層の組み合わせにより画成される多孔質のネットワークは、ネットワークに入射する殆どの可視光を捕捉する光学経路を提供する。]
[0019] 本発明の別の実施形態では、実質的に透明な基板の表面上に形成される単層反射防止用被覆を含む装置が提供され;この場合には、前記反射防止用被覆は約2nm〜約50nmの空間的尺度内の少なくとも1つの寸法を持つ、複数の自己組織化ナノ構造を有する。任意に、前記ナノ構造は細孔である。任意に、前記ナノ構造は、限定はされないが、充填された細孔、ナノ・ワイヤー、ナノ・ロッド、又は(充填された、部分的に充填された、又は充填されない)細孔の相互に接続されたネットワークであることができる。]
[0020] 更に別の実施形態では、単層のナノ構造の多孔質層を形成することを含む反射防止膜の形成法が提供され、この場合には以下の内の少なくとも1つによりその多孔率が調整される:ゾル−ゲルのプロセス、界面活性剤によるテンプレート、及び/又はポリマー性前駆体からナノ多孔質被覆を形成し、熱、プラズマ又はオゾンにより有機部分の分解を用いるものであり、前記ナノ構造の成分が、細孔、充填された細孔、及び/又はチャンネルの少なくとも1つを含むもの。]
図面の簡単な説明

[0021] 本発明の1実施形態に従うシステムの側面図。
本発明の1実施形態に従うシステムの鳥瞰図。
本発明の1実施形態に従う溶液蒸着システムを示す図。
本発明の1実施形態に従うナノ構造の層を示す図。]
実施例

[0022] 本発明の性質及び利点の更なる理解は、本明細書の残りの部分と図面を参照することにより明確になるであろう。
主張されているように、前記の一般的な記載と以下の詳細な記載の両方とも、例示的かつ説明のためだけのものであり、本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。明細書及び添付の特許請求の範囲に使用される単数形である「a」、「an」及び「the」は、文脈が明白に指示する場合以外には、複数の指示をも包含する。従って、例えば、「a物質」という言及は、複数の「材料」(物質)の混合物を含むことができ、「a compound」という言及は、複数の「化合物」(compound)を含むことができるなどである。本明細書に引用される参考文献は、その実体として、本明細書に明確に規定される教示と矛盾しない範囲において、参照により本明細書に包含される。]
[0023] 以下の本明細書と特許請求の範囲において、以下の意味を有するものとして定義される一連の用語に対し記述が行われる:
「任意の(optional)」又は「任意に(optionally)」は、引き続き記載される状況が起きても、起きなくてもよいことを意味し、従ってその記載は、前記状況が起きる事例、及び前記状況が起きない事例を含むことができる。例えば、装置が反射防止膜の特性を任意に含む場合、このことは、反射防止膜の特性が存在しても、又は存在しなくてもよいことを表し、したがってこの記載は、装置が反射防止膜の特性を保有する構造、及び反射防止膜の特性が存在しない構造との両方を含む。]
[0024] 本明細書の背景技術で要約された先行技術における困難を克服するために、いくつかの本発明の実施形態は、高い生産量の製造において最小限の環境への影響とともに容易に加工できる、機械的に安定で耐擦過性であり、大表面積上にも均一に形成でき、シリカのナノ粒子又は異なる粒経及び/若しくは機能のシリカのナノ粒子を必要とせずに容易に加工できるAR被覆を含む。更に、前記製造プロセスは、低温(200℃以下)で、強化ガラス基板又は非強化ガラス基板の両方の上で、マクロ−、メソ−及びナノの尺度における均一性の高い、高度に構造化された被覆を有するように実行できる。]
[0025] 本発明の1実施形態は、細孔直径を高度に均一化でき、しかも約3nm〜約50nm以上まで調整できる、界面活性剤によりテンプレートされた、細孔が膨らんだゾル−ゲル被覆を含む。細孔直径を変化することにより、バルク被覆中の合計の空隙容積を理想的に近い屈折率が得られるように調整できる一方、このように形成された多孔質のネットワーク3次元的性質は、ネットワークに入射する殆どの可視光を捕捉する光学経路を提供する。前記装置は、先行技術である酸によるエッチングで得られる表面よりも秩序ある表面構造を有し、他の先行技術である水性ゾル被覆よりも高い均一性を有し、及び更に他の先行技術において使用されるゾル−ゲルに埋め込まれた、複数様式の非粒子による戦略よりも、より単純な製造プロセスを有する。]
[0026] 特に、先行技術に付随する不利益は、ガラス上にナノ構造のAR層を作成するための方法、及びかかるナノ構造の層を有するガラスAR装置を対象とする、本発明の実施形態により克服される。本方法の1実施形態では、前駆体のゾルが基板に堆積される。一般的に前記前駆体のゾルは、1つ以上の、中心元素Xを持つ共有結合金属錯体、1つ以上の界面活性剤、及び1つ以上の溶媒を含む。前記前駆体のゾルは、任意に、1つ以上の縮合阻害剤及び/又は水を含み得る。界面活性剤をテンプレートとする膜を生成するために、前記溶媒は前駆体のゾルから蒸発される。界面活性剤をテンプレートとする膜中に形成される1つ以上の細孔のサイズは、細孔が約10nm〜約50nmの直径を持ち、隣接する細孔との間隔が約10nm〜約50nmとなるように制御される。細孔のサイズは、例えば、前記溶媒の適切な濃度、界面活性剤の選択、キレート剤及び/又は膨張剤の使用により制御し得る。前記界面活性剤をテンプレートとする膜は、中心元素Xの化合物に基づくナノ構造の多孔質層を形成するために、共有結合的に架橋される。界面活性剤によりテンプレートされた多孔質の膜中の細孔のサイズの制御の結果、前記ナノ構造の多孔質層は、約10nm〜約50nmの直径を持ち、隣接する細孔との間隔が約10nm〜約50nmである細孔を有する。多孔質膜の形成のための、界面活性剤によるテンプレート化技術の例としては、例えば、リンカー(Rinker)らによる米国特許第6,270,846号、及び______________に出願された、米国特許出願第___________号(代理人整理番号第NSL−010)が挙げられ、その両方とも引用により本出願に組み込まれる。]
[0027] 前記前駆体のゾルは、一般的に1つ以上の、中心元素Xを持つ共有結合金属錯体、1つ以上の界面活性剤、1つ以上の縮合阻害剤、水、及び溶媒を含む。前記溶媒は、極性有機溶媒、又は他の反応剤を溶解する任意の他の溶媒であることができる。適切な溶媒の例としては、アルコール、(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール)、テトラヒドロフラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド又はそれらの混合物が挙げられる。前記共有結合金属錯体は、金属アルコキシド及び/又は金属ハロゲン化物、金属窒化物であることができる。]
[0028] SiO2を主成分とする界面活性剤によりテンプレート化された膜に対する適切なアルコキシドの例としては、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)などのポリシロキサンが挙げられる。]
[0029] TiO2を主成分とする多孔質の界面活性剤によりテンプレート化された膜に対する適切な共有結合金属錯体の例としては、チタンエトキシド又はチタンイソプロポキシド、塩化チタン、チタンブトキシド、チタン(AcAc)(即ち、チタンジイソプロポキシド(ビス−2,4−ペンタンジオナト))、チタンメタクリロキシエチルアセトアセタテートジイロプロポキシド、及びチタンビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキシドなどのアルコキシドが挙げられる。]
[0030] 適切な界面活性剤の例としては、HO(CH2CH2O)n(CH2CHCH3O)m(CH2CH2O)nHが挙げられ、この式中m及びnは整数である。この型の界面活性剤の特定の例は、ブロック共重合体、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)(EO20−PO70EO20)であり、商品名Pluronic P123としても知られる。Pluronic P123において、n=20、m=70、n=20であり、名目的分子量は5750g/molである。Pluronic F127は、トリブロック共重合体(PEO−PPO−PEO、n−m−n比がPEO106PO70EO106、即ち、n=106、m=70、n=106)である。Pluronic F127の名目的分子量は12,600g/molである。P123及びF127は、末端が1級水酸基で終了する2官能性ブロック共重合体界面活性剤である。他の適切な界面活性剤の例としては、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(CTAB)、ポリオキシアルキレンエーテル、及びポリ(オキシエチレン)セチルエーテル(例えば、Brij56又はBrij58)が挙げられる。Pluronicは、BASF社(ルドウイッヒシャヘン(Ludwigshafen)、ドイツ)の登録商標名である。Brijは、アトラス・ケミカル(デラウエア州ウイルミントン(Wilmington))の商標名である。Brij 56はポリオキシエチレン10セチルエーテルである。Brij 58は、ポリ(オキシエチレン)セチルエーテル、ポリ(オキシエチレン)パルミチルエーテル、ポリエチレンオキシドヘキサデシルエーテル、及びポリエチレングリコールセチルエーテルを含むいくつかの異名を持つ。]
[0031] 適切な縮合阻害剤の例としては、塩酸(HCl)、硫酸(H2S04)、硝酸(HNO3)、酢酸(HOAc)のようなカルボン酸などの酸、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化アンモニウム(NH4OH)、トリエチルアミンなどの塩基、及びケトン、β−ジケトン、カルボン酸、β−ケトカルボン酸、ジオール、アミノアルコール、クラウンエーテル、ヒドロキシ又はアミンを含むポリマーなど、アセト酢酸エチル、2−4−ペンタンジオン、アセトン、ジアセトンアルコール、カテコール、ステアリン酸、乳酸、カテコール、エタノールアミン、トリエタノールアミンなどの小分子又は共溶媒などのキレート剤が挙げられる。]
[0032] 一般的に言えば、界面活性剤、縮合阻害剤、エタノール及び水の、中心元素X(ここでXは、中心元素、又は共有結合金属錯体中の無機ネットワーク原子を称する)に対するモル比は、次の範囲であることができる:
[界面活性剤]/[X]:約1×10−7〜約0.1の範囲のモル比
[溶媒]/[X]:約3〜約50の範囲のモル比
[縮合阻害剤]/[X]:約1×10−5〜約5の範囲のモル比
[水]/[X]:約0〜約20の範囲のモル比。]
[0033] ゾルをろ過することができ、この溶液から調製される薄膜を基板上に、スピン・コーティング、ウエブ・コーティング、ディップ・コーティング、スプレー・コーティング、インクジェット印刷、ドクター・ブレード・コーティング、スプレー・コーティング、スクリーン印刷などの印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、ミクロ・グラビア印刷などにより蒸着することができる。いくつかの実施形態では、前記基板は電極である。かかる場合には、前記前駆体のゾルは、電極の表面に直接か、又は介在層の表面に蒸着されることができる。]
[0034] 界面活性剤をテンプレートとする膜を形成するために、前記溶媒は前駆体のゾルから蒸発により除去される。溶媒の蒸発は、界面活性剤により安定化された膜の前駆体である、界面活性剤により安定化されたマイクロエマルジョン又はミセルの形成を引き起こす。]
[0035] 界面活性剤をテンプレートとする膜中に形成される1つ以上の細孔のサイズは、細孔が約10nm〜約50nmの直径を有して、隣接する細孔との間に、例えば細孔の壁の厚さにより測定される、約10nm〜約50nmの間隔を持つように制御される。]
[0036] 界面活性剤によりテンプレート化された膜中の細孔の直径、及び細孔の間隔は、(1)界面活性剤の選択、(2)界面活性剤の濃度、(3)ブロック共重合体の使用、(4)温度、(5)湿度水準、(6)蒸着の操作手順と速度、(7)共有結合金属錯体の濃度、(8)共溶媒の使用、(9)膨張剤の使用、(10)キレート剤の使用、(11)酸の使用、(12)塩基の使用、(13)例えば、配位される配位子の種類と性質の観点からの共有結合金属錯体の性質、又は(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)、(12)、及び(13)の内の2つ以上のものの組み合わせの、いくつかのにより調整され得る。(2)、(3)、(7)、(9)及び(10)に基づく細孔直径及び細孔間隔の制御技術には特に興味が持たれる。]
[0037] 一般に、増加する界面活性剤、増加する溶媒、及び細孔膨張剤の添加は、細孔のサイズを増大させる傾向がある。キレーターとして機能する縮合阻害剤の使用も、細孔のサイズを増大させる傾向がある。更に、より高いアルコキシド濃度は、細孔の壁の厚さの増大、及び、したがってより大きな細孔の間隔をもたらす傾向がある。しかしながら、他の要素も細孔の間隔に影響を与えることがある。]
[0038] (3)に関しては、例えば、約10nm〜約50nmの、より大きな細孔のサイズを有する、界面活性剤によってテンプレート化された薄膜は、大きなブロック共重合体を界面活性剤として用いることにより得られる。一般的に言えば、界面活性剤が大きいほど、細孔のサイズは大きくなる。例えば、界面活性剤が、分子量が約5,000g/molのブロック共重合体の場合である。ブロック共重合体の分子量の上限は、ゾルに用いられる溶媒への溶解度に部分的に依存する。分子量の1つの可能な範囲は、約5,000g/mol〜約15,000g/molである。1つの例は、分子量が12,600である(EO)106(PO)70(EO)106の種類のブロック共重合体である。細孔のサイズを調整するために、2つ以上の異なる種類の界面活性剤を混合することも可能である。]
[0039] (9)に関しては、界面活性剤によるテンプレート化の間に、油などの膨張剤を細孔のサイズを拡大するために使用できる。一般的に、界面活性剤は細孔内部が疎水性であり、細孔外部が親水性である。前記前駆体ゾルへの疎水性分子の添加は、テンプレート化の間に細孔直径を増大させる傾向がある。適切な疎水性分子の例として、トリメチルベンゼン(TMB)、カテコール、ポリプロピレングリコール、ツイーン・トリトン、ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、オクタン、イソオクタン、ホルムアミド、及びラテックスが挙げられる。加えて、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、又は先述の疎水性若しくは油性分子の1つを標準界面活性剤に混合することにより、細孔を拡大することができる。好適には、前記細孔膨張剤(PSA)は、約0〜約5のモル比[PSA]/[X]である。]
[0040] 先行技術において、細孔膨張剤は、より大きな細孔を持つ材料の製造に使用されている。しかしながら、本明細書に記載される界面活性剤によりテンプレート化された膜、又はナノ構造の多孔質層とは対照的に、これらの材料は典型的には粉末又はセラミック材料である。]
[0041] (10)に関しては、キレート剤の使用は、細孔のサイズ若しくは構造、又は酸性度を制御するための好適な技術である。キレート剤は、ゾル中に既に存在する中心元素Xに対するゾルのキレートに対して添加することができる。代替的に、前記ゾル中で使用されるクリーンなキレート化されたX錯体としてゾルを調製することができる。キレート剤は、中心元素Xの結合形成に影響を与えることができ、それによって、界面活性剤によるテンプレートの間に細孔のサイズを調整することができる。キレート剤は、その分子が、単一の金属イオンに対して、1つ以上の配位結合を形成できる物質である。最も普通であり、最も広範に使用されるキレート剤は、金属イオンに酸素若しくは窒素、又はその両方の供与原子を介して配位するものである。]
[0042] 適切なキレート剤の例は、ケトン、β−ジケトン、カルボン酸、β−ケトカルボン酸、ジオール、アミノアルコール、クラウンエーテル、ヒドロキシ又はアミンを含むポリマーなど、アセト酢酸エチル、2−4−ペンタンジオン、アセトン、ジアセトンアルコール、カテコール、ステアリン酸、乳酸、エタノールアミン、トリエタノールアミンなどの小分子又は共溶媒などが挙げられる。前駆体のゾル中に前記キレート剤は、好適には約0.1〜約5、より好適には約1〜約3のモル比の[キレート剤]/[X]で存在する。]
[0043] 細孔のサイズ、及び細孔の間隔を制御するための多くの技術が、前記前駆体のゾルの調製を含むことに留意されたい。そのようなものとして、溶媒をゾルから蒸発させる前、その間、若しくはその後に、又は基板に前駆体のゾルを蒸着させる前、その間、若しくはその後に、全体又は一部において、この工程を構成する活動が行われることができる。更に、細孔のサイズを制御するいくつかの要因が、前駆体のゾルの基板への蒸着、又は基板からの蒸発と同時に起き得る。かかる要素は、例えば、蒸着技術、基板又はゾルの温度、蒸発の速度、湿度などを含む。上述の工程の順序は、明確さの目的で選ばれており、本発明のいかなる実施形態をも限定するものと見なされるべきではない。
ナノ構造層の製造実施例
実施例1.溶媒の増加:
TiO2を主成分とする、界面活性剤によりテンプレート化された、おおよそ10nm〜20nm直径の細孔を有する膜は、増加された溶媒濃度を用いて前駆体のゾルから形成することができる。この実施形態において、前駆体のゾルは以下のモル比で、アルコキシドとしてチタンエトキシドを、界面活性剤としてPluronic P123又はF127を、縮合阻害剤としてHClを、水、及び溶媒としてエタノールを用いる:[界面活性剤]/[X]:約9X10−8〜約1X10−2;
[溶媒]/[X]:約10〜約50;
[縮合阻害剤]/[X]:約0.1〜約3;
[水]/[X]:約0.1〜約10。
実施例2:細孔膨張剤の使用
TiO2を主成分とする界面活性剤によりテンプレート化された、おおよそ10nm〜30nm直径の細孔を有する膜は、トリメチルベンゼンを細孔膨張剤(PSA)として用いて前駆体のゾルから形成することができる。前駆体のゾルは以下のモル比で、アルコキシドとしてチタンエトキシドを、界面活性剤としてPluronic F127を、縮合阻害剤としてHCl又はHOAcを、水、及び溶媒としてエタノールを用いる:
[界面活性剤]/[X]:約9X10−8〜約1X10−2;
[溶媒]/[X]:約10〜約50;
[縮合阻害剤]/[X]:約0.1〜約3;
[水]/[X]:約0.1〜約10;
[PSA]/[X]:約0.1〜約3。
実施例3:キレート剤の使用。]
[0044] TiO2を主成分とする界面活性剤によりテンプレート化された、おおよそ20nm〜50nm直径の細孔を有する膜は、あらかじめキレート化されたチタニア、又は系内で酢酸若しくは2,4−ペンタンジオンを用いて生成される前駆体のゾルを用いて形成される。酢酸は縮合阻害剤としても機能する。前記前駆体のゾルは、以下のモル比で、アルコキシドとしてチタニアジイソプロポキシド(ビス−2,4−ペンタンヂオネエートを、界面活性剤としてPluronic P123又は他のものを、及び溶媒としてエタノールを用いる:
[界面活性剤]/[Ti]:約9X10−8〜約1X10−3;
[溶媒]/[Ti]:約10〜約50;
[キレート剤]/[Ti]:約1〜約3;
[縮合阻害剤]/[X]:約0〜約5。
代替的実施形態
シリカ被覆の使用に加えて、チタニア被覆を用いることができ、これは光学的に透明であることに加えて、ソーラーガラス表面及びソーラー・パネルから破片と不純物を除去するために有用である自己触媒的な自己清掃性を提供する。]
[0045] 更に、界面活性剤によりテンプレート化された多孔質のネットワークは「空」のまま残され、例えば、空気により充填されるか、又は代替的に、多孔質のネットワークに融解して浸潤し得るポリマーなどの、別の特定の屈折率を有する物質で充填されることができる。]
[0046] また更に、界面活性剤によりテンプレート化された多孔質のネットワークは、別のナノ構造の膜を形成するための、犠牲金型として用いることができ、この場合には原型のネットワーク物質が除去され、逆の構造が適切な場所にAR被覆として残される。]
[0047] また更に、限定はされないが、任意のさまざまな金属酸化物などの、シリカ又はチタニアとは異なる材料を多孔質のネットワークを形成するために用いることができる。
また、更に、数nm〜μm以上までの、異なる厚さのAR被覆を被覆として塗布することができる。]
[0048] 加えて、1つ以上の被覆を塗布することができ、例えば、多重被覆を同一ガラス基板上に形成できる。これらは同様の、又は異なる前駆体物質から作成できる。
加えて、限定はされないが、ポリマー性及び/又はセラミック材料などの、ガラス以外の基板を用いることができる。]
[0049] 最終的に、AR被覆内部の3次元ネットワークは、AR被覆に触れる光の大多数を捕捉する多重スケールの光子装置として調整することができる。
小細孔は、ほこり(花粉など)を締め出すため、及び良好な分離のためには、たぶん有利である。限定しない例として、2〜3nmの、メチルシルセスキオキサンを有する細孔が報告されている。]
[0050] 限定しない例として、一連の利点と変形は、限定はされないが、以下のものを含むことができる:
a)メチルシルセスキオキサン、特にポリメチルシルセスキオキサン、ハイドロゲンシルセスキオキサンばかりではなく、メチルに加えて他の有機配位子、(例えば、フェニル、ブチルなど)及びそれらの共重合体。これらはいくらか開いたネットワークであるため、SiO2より低い屈折率を持つ[IBM社のミラー(Miller)らは、これらのICへの使用の先駆的研究を行っている。その結果、より少ない細孔率で、したがってより高い機械的強度で、匹敵する屈折率が得られた。より低い細孔率では、細孔は、より完全に分離される可能性が高く、したがって、水などの外部媒体により浸透されない]。]
[0051] b)シルセスキオキサンとビス(トリメトキシシリル)エタン又はビス(トリエトキシシリル)エタンとの共重合体、これは更に大きな機械的強度を提供する。
c)疎水性のための、多孔質膜のHMDS、TMDS(テトラメチルジシラザン)、及びTMCS(トリメチルクロロシラン)などの気体による処理。B.シー(Xie)及びA.J.マスカット(Muscat),Microelectronic Engineering 76(2004)52〜59に記載されるように、超臨界CO2はこのプロセスにおいて有用である。]
[0052] d)細孔源の約400℃付近での焼却の代替手段としての、より低温での(又はより迅速な)有機成分の除去のための酸素プラズマの使用。
e)同様な代替手段として、より低温での(又はより迅速な)有機成分の除去のためのUV/オゾンの使用。]
[0053] f)ポリイソプレン及びポリ(ペンタメチルジシリルスチレン)のトリブロック共重合体、及び他のシロキサン又はシランと有機バックボーンブロックポリマーとの共重合体。
g)低価格技術による、効果の最適化のための多層の使用。例えば、多孔性の使用により、良好な強度を保ちながら、屈折率1.1の被覆を得ることが可能である(このような1例が文献に記載されている)。次いで、それは、それとガラスの間にある、屈折率が1.3程度である第二層から利益を受ける。これは、本明細書に開示される薄膜前駆体型の被覆によって容易に達成され、(少なくとも1つの)先行技術の、焼結されたガラス球体によるアプローチによっては、(例え可能であるとしても)容易には行い得ない。]
[0054] 任意に、本発明の実施形態は、ポリマー性前駆体からナノ多孔質被覆を製造するための、有機部分を熱、プラズマ、又はオゾンにより分解する他のいくつかの方法を主張することができる。例えば、限定はされないが、シロキサンポリマー(シリカにより結合されたネットワークを提供する)の側鎖に、有機ポリマー(コイル型配置を取り得るもの)とのグラフト共重合体を作ることができる。反対の配列(シロキサンの側鎖、有機骨格)も、もちろん可能である。]
[0055] ナノ構造の多孔質層内の細孔1001は、任意に、ナノ構造の多孔質層を構成する中心元素Xの化合物に対して、補足的な電荷移動特性を有する細孔充填物質により充填されることができる。いくつかの実施形態では、この有機細孔充填物質としては、ペリレン、フタロシアニン、メロシアニン、テリレン、スクアライン、ルテニウム錯体、ペンタセン、ナフタロシアニン、ポリ(フェニレン)、ポリフェニルビニレン、ポリ(イソチアナフタレン)、ポリフルオレン、ポリパラフェニレン、スピロ化合物、ポリ(スクアライン)、PEDOT、ポリ(チオフェン)、ポリアセチレン、共役C−60、ポリアニリン、デンドリマー、及びそれらの誘導体が挙げられる。]
[0056] 一般的に、有機細孔充填物質は、前駆体物質と溶媒を含む処理溶液の形態で提供される。処理溶液は、例えば、ウエブ・コーティング、ディップ・コーティング、ドクター・ブレード・コーティング、スプレー・コーティング、スピン・コーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、ミクロ・グラビア印刷などの、任意の適切な技術によってナノ構造の多孔質層に塗布されることができる。例えば、溶媒を蒸発させ細孔充填物質を設定するため、及び/又は、例えば、毛細管作用物質及び/又は浸透圧による物質の浸潤を助けるために、この工程の間にナノ構造の多孔質層、及び細孔充填物質に熱を加えることができる。]
[0057] いくつかの適切な無機物質としては、アルミニウム、銀、チタニア(TiO2)、シリカ(SiO2)、酸化亜鉛(ZnO2)、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化スズ、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化カルシウムチタン、又は2つ以上のこれらの物質の混合物が挙げられる。]
[0058] 本発明の1実施形態は、ゾル−ゲルの製剤、及びその細孔中への蒸着であり、次いで空気乾燥と、例えば400℃での加熱を行う。例えば、前駆体のチタン溶液を、エタノール、酸、アセチルアセトン(AcAc)、及び水と混合することができ、生じる混合物はゾルを形成し、多孔質のテンプレートは速やかにこの溶液に5〜120秒間浸漬される。蒸着物の形態を制御するために、蒸着時間又はゾルの温度のどちらかが修正される。例えば、15℃での5秒間の蒸着は(室温での蒸着でもよい)最終的に蒸着される物質の中空の細管を産生する一方、60秒間の蒸着は同じ物質の中空でない管を産生する。温度も蒸着プロセスに影響を与える。例えば5℃では、蒸着時間が120秒に延長されても、薄い壁の中空管が生じるのに対して、20℃では、蒸着時間が5秒でも硬い壁の管が生じる。]
[0059] 蒸着後、前記膜は空気中、室温で30秒間乾燥され、次いで前記膜は、室温から、10〜50℃/分の制御された温度傾斜により、400℃まで昇温され乾燥される。前記膜は400℃で6時間保持され、次いで、400℃から、10〜50℃/分の制御された温度傾斜により室温まで冷却される。]
[0060] 代替的に又は平行して、架橋のための付加的なエネルギーを与えるために、したがって、架橋プロセスのための温度と時間を削減するために、膜をUV光及び/又はプラズマに曝露することができる。]
[0061] 加熱すると、細孔内に、例えばそのC軸が細孔の軸に沿って配向するTiO2の結晶が生じる。加熱後、ゾル−ゲルが、テンプレートの表面に生じる表面膜に残った場合、機械的研磨(例えば、細かい目のサンドペーパーを用いる)を、膜表面の両側に堆積した金属酸化物を除去するために用い得る。代替的に、化学エッチング、湿式化学エッチング、若しくはプラズマ・エッチング技術、又はそれらの組み合わせを、潜在的な任意の望まれない表面膜の除去に用い得る。]
[0062] 特定の実施例では、以下のモル比で混合された、前駆体であるチタンイソプロポキシド(TI)、縮合阻害剤であるアセチルアセトン(ACAC)、蒸留水、及び溶媒であるエタノール(EtOH)を用いる、ゾル−ゲルに基づく細管形成において使用するために、TiO2ゾル(5重量%)が調製される:
ACAC/TI 約10−5〜約5;
水/TI 0〜約20;及び
EtOH/TI 約3〜約50。]
[0063] 他の縮合阻害剤及び溶媒は、上記に記載されたものにより置き換えることができる。更に、前記チタンイソプロポキシドは、別の前駆体化合物、例えば、チタン又は別の中心元素から誘導されたアルコキシド、又は塩化物により置き換えることができる。]
[0064] TiO2ゾルの蒸着に先立ち、蒸着及び/又は被覆/湿潤化を促進するために、例えば、プラズマ清掃、UV−オゾン清掃、湿式化学清掃などによって、基板を処理することができる。]
[0065] 前記の合成は空気中、室温で行われ得る。ゾル−ゲル被覆に対して、多孔質のアルミナ・テンプレートは、最初にエタノールに浸漬され、次いでTiO2ゾルに室温で5秒間〜20分間浸漬されることができる。1〜10mm/秒の速度で稼動される浸漬装置は、浸漬被覆の引き抜き速度を制御できる。室温で空気中において1〜3時間乾燥後に、多孔質のAl2O3/TiO2ナノ構造を得るために、基板は空気中において約100℃で約10分間〜2時間、及び約1〜5℃の昇温率で加温して、400℃で約1〜3時間加熱されることができる。]
[0066] 先述の実施例は、テンプレートの細孔のTiO2の細管による充填につき記載しているが、前記テンプレートの細孔は、代替的に、上記に記載されたような有機物質により充填されることができる。]
[0067] 図4に示されるように、任意に、ナノ構造の多孔質層1000を、装置作成のための犠牲テンプレートとして用い得る。前記ナノ構造の多孔質層1000は、細孔1001が細孔充填物質で充填された後に、細孔充填物質で作成されたナノ構造の格子ネットワークを残して除去されることができる。前記構造は、大まかに直径dを持つものとして特徴付けられ、例えば、細孔壁の厚さにより測定して、隣接する構造はおおよそDの距離によって隔てられている。次いで、構造間の空の空間は、該構造を形成する細孔充填物質に関して補足的な電荷移動特性を有する、ネットワーク充填物質により充填され得る。そのような場合、構造間の間隔を増加させるために、より大きな壁厚D、及びより小さな直径dを有する細孔が望ましい。] 図4
[0068] 耐湿性及び耐擦過性を更に改善するために、フッ素樹脂を保護層として反射防止被覆に積層することができる。例えば、テトラフルオロエチレン共重合体(TFE、デュポン社(Du Pont)、商標名TEFLON)、テトラフルオロエチレン及びエチレンの共重合体(ETFE、デュポン社、商標名TEFZEL)、ポリビニルフルオリド(デュポン社、商標名TEDLAR)、ポリクロロフルオロエチレン(CTFEC、ダイキン工業(Daikin Industries)、商標名Neoflon)が挙げられる。周知のUV吸収体を加えることにより耐候性も改善可能である。保護層は、更に水又は空気への曝露に対して保護する窒化物、酸化物、オキシ窒化又は他の無機物質を含むことができる。特に、前記保護層は、無機誘電体と有機物質の多層積層を含む、多層積層又は箔であることができる。]
[0069] 50nmより大きい特別な尺度の細孔又はナノ構造の形成に、さまざまな他の技術を用い得ることは注意されるべきである。メソ多孔質のテンプレートはいくつかの異なる技術を用いて製造され得る。例えば、有機又はポリマー性分子を、無機層状ネットワークの間に挿入及び/又は移植することができる。メソ多孔質のテンプレートは、ハイブリッド分子集合体の電析、あらかじめ形成された無機ゲルの含浸、ヘテロ官能性の金属アルコキシド若しくはシルセスキオキサンからの合成、又は明確な機能性ナノ構成要素との結合を通じて合成できる。メソ多孔質のテンプレートは、界面活性剤、アミン、アルキルアンモニウムイオン、若しくは両親媒性分子を構造制御剤として含む、有機分子及び巨大分子を用いる、無機又はハイブリッドのネットワークのテンプレート化された成長によっても作成され得る。テンプレート化された成長は、ナノ粒子に続いてナノ粒子の除去によっても行い得る。更に、メソ多孔質のテンプレートは、生物工学による自己組織化、例えば、蒸着のテンプレートとして用いるタンパク分子の自己組織化に続くプロテアーゼを用いるテンプレートの除去により、製造し得る。]
[0070] 任意に、各細管細孔は、約1nm〜約200nmの範囲の、好適には約10nm〜約200nmの範囲の、より好適には約10nm〜約50nmの範囲の、更により好適には約20nm〜約40nmの範囲の、最も好適には約30nmの細管細孔直径dにより特徴付けられる。一般的に、細管細孔の直径dは、テンプレートの細孔の直径Cよりも小さい。]
[0071] 付加的な代替的実施形態は、酢酸亜鉛(多孔質のテンプレート中に最終的にZnOのカラムを形成する)、WCl6(最終的にWO3を形成する)、TEOS(最終的にSiO2を形成する)、又は対応する金属酸化物をテンプレートの細孔内に形成する、任意のさまざまな他の金属アルコキシド前駆体などの、異なる金属酸化物前駆体の使用を含む。前記金属酸化物前駆体(及び生成する金属酸化物)は、遷移金属である中心元素X、例えば、Ag、Au、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Ir、Mn、Mo、Nb、Ni、Sr、Ta、Ti、V、W、Y、Zn、Zrなどを主成分とすることができる。他の適切な中心元素Xとしては、Al、B、Ba、Ce、Ge、Hf、In、La、Pb、Os、Se、Si、Sn、Sr、又はVaが挙げられる。
蒸着技術
限定はされないが、湿式コーティング、スプレー・コーティング、スピン・コーティング、ドクター・ブレード・コーティング、コンタクト印刷、トップ・フィード裏刷、ボトム・フィード裏刷、ノズル・フィード裏刷、グラビア印刷、ミクロ・グラビア印刷、裏ミクロ・グラビア印刷、コンマ印刷染色法、ローラー・コーティング、スロット・ダイ・コーティング、メイヤー・バー・コーティング、リップ印刷染色法、デュアル・リップ印刷染色法、キャピラリー・コーティング、インクジェット印刷、ジェット蒸着、スプレー蒸着、超音波スプレー蒸着などと同様に上記の組み合わせ及び/又は関連技術などのさまざまな溶液に基づく被覆技術が、上記物質の塗布に用い得る。グリセリンなどの湿潤剤の前記液体への添加により、基板の表面は修飾できる。前記液体は、前述の物質を含む分散物又はインクであることができる。表面張力に応じて、前記液体の基板への塗布は任意に上下を反対にして実行できる。]
[0072] 本発明の前駆体溶液の実施形態は、標的の基板に噴霧されることもできる。図1に示されるように、限定しない例として、スプレー組み立て品60は、基板50の幅の全域に液体を噴霧するために、単一ノズル、2つのノズル、又は多数のノズルを用いることができる。1つ以上のノズルが超音波ノズルであることができる。連合王国のJ・D・ウルトラソニックス(J D Ultrasonics)社の製品などの超音波ノズルが市販品として入手可能である。任意に、前記ノズルは、シンガポールのウイルソン・スプレー・ノズル(Wilson Spray Nozzle)社から入手できるもののように、幅広いウエブの幅方向に液体を原子化するように構成されたデュアル・ジェット・ノズルであることができる。組み立て品60の中には1つ以上の幅広いウエブ・ノズルが存在してよい。任意に、1つ以上のノズルは、ノズルからの流れが、渦巻く流れが円錐状噴霧を画成するように出口から抜け出るものである、渦巻きノズルであることができる。任意に、幅広いウエブ、及び渦巻きノズルが組み合わせで用い得る。前記噴霧組み立て品60は、0.5m以上の幅を有することができる基板50の全域を噴霧するのに十分なものであることができる。任意に、前記噴霧組み立て品60は、1.0m以上の幅を有することができる基板50の全域を、噴霧するのに十分なものであることができる。任意に、前記噴霧組み立て品60は、2.0m以上の幅を有することができる基板50の全域を、噴霧するのに十分なものであることができる。任意に、前記噴霧組み立て品60は、3.0m以上の幅を有することができる基板50の全域を、噴霧するのに十分なものであることができる。] 図1
[0073] 別の態様では、塗布される溶液の量は、薄層であるか、又は約0.5mm〜約5mmの深さの浴を形成するのに十分な量のどちらかである。任意に、前記浴は、深さが約0.5μm〜約10mmであることができる。浅い浴でも、実質的に原料物質が不十分な活用をされることはなく、基板50の全標的表面を覆うのに十分である。基板50上の前記浴は、基板50の上の滑動可能な、及び/又は移動可能な密閉体に接して収容される。任意に、前記基板50は溶液の浴を通って通過し、基板50は着脱可能な背面層を有することができる。]
[0074] 図1をさらに参照するが2番目の蒸着用組み立て品70(点線で示される)を用いることもできる。これは溶液蒸着組み立て品60において使用される超音波ノズルと同一種類のものであることができる。それは、限定はされないが、任意に渦巻き、幅広ウエブ、又は蒸着組み立て品60に用いられているものと異なる他のノズルなどの他の種類のものの1つであることができる。任意に、前記第2の蒸着組み立て品70は、以下のものを1つ以上含むことができる:湿式コーティング、スプレー・コーティング、スピン・コーティング、ドクター・ブレード・コーティング、コンタクト・プリンティング、トップ・フィード裏刷、ボトム・フィード裏刷、ノズル・フィード裏刷、グラビア印刷、ミクロ・グラビア印刷、裏刷ミクロ・グラビア印刷、コンマ印刷染色法、ローラー・コーティング、スロット・ダイ・コーティング、メイヤー・バー・コーティング、リップ印刷染色法、デュアル・リップ印刷染色法、キャピラリー・コーティング、インクジェット印刷、ジェット蒸着、スプレー蒸着などと、上記の組み合わせ及び/又は関連技術。組み立て品70からの溶液は、組み立て品60からのものと同一であるか、又はチオ尿素溶液などの処理に用いられる成分であることができる。] 図1
[0075] 図2は、移動密閉システム160及び162が、溶液が基板50に蒸着される領域と平行することができる別の実施形態を示す。図2は、基板50、及び基板50に対して側壁を形成し、基板50の上に浴の形成を可能とする、システム160及び162の密閉体の鳥瞰図である。本実施形態では、基板50は、担体ウエブ52に保持されて運搬されることができる。1実施形態では、システム160及び162の密閉は、溶液の浴、又は層を基板50の片側のみに保つ。システム160、及び162は、基板50と共に移動する密閉体を持つように構成されることもできる。他の実施形態は、基板がそれに沿って滑動することを可能とする固定密閉体を有することができる。いくつかの実施形態は、流体又は溶液が、ウエブの下流側若しくは上流側の遠くまで流れることの防止を助けるための窪みを、基板の経路に有することができる。密閉体の表面を清掃し、基板50に対する良好な密閉を阻害する可能性のある望ましくない堆積を除去するための、こするためのユニット170及び172も含むことができる。他の実施形態は、前記ユニット170及び172を、基板50に対する密閉を助ける封止剤の塗布に用いることができる。] 図2
[0076] 次いで図3を参照して、本発明の更に別の実施形態を記載する。この実施形態は、流体を基板50基板上に収容することを助ける密閉体、フレーム、又は他の要素を用いる替わりに、柔軟な担体ウエブ52の端部53及び55を湾曲させ得るか、丸め得るか、又は上方に角度を付けて曲げられ得ることを示している。これは点線57により示されるように、その間に流体が充填されることを可能とする、カップ状、又は椀状の断面の形状を画成する。上方に湾曲する端部53、及び55の間の流体の深さは、端部の上端の下まで、及び/又は、任意に端部の上部を越えて充填され得る。制限しない1例として、基板50上の前記流体の深さは約0.1mm〜約20mmの範囲であることができる。任意に、別の実施形態では、基板50上の前記流体の深さは約0.5mm〜約10mmの範囲であることができる。本実施形態では、基板50上に流体の被覆を形成するために、流体蒸着用の組み立て品259を用い得る。] 図3
[0077] 限定はされないが、流体は、湿式コーティング、スプレー・コーティング、スピン・コーティング、ドクター・ブレード・コーティング、コンタクト・プリンティング、トップ・フィード裏刷、ボトム・フィード裏刷、ノズル・フィード裏刷、グラビア印刷、ミクロ・グラビア印刷、裏刷ミクロ・グラビア印刷、コンマ印刷染色法、ローラー・コーティング、スロット・ダイ・コーティング、メイヤー・バー・コーティング、リップ印刷染色法、デュアル・リップ印刷染色法、キャピラリー・コーティング、インクジェット印刷、ジェット蒸着、スプレー蒸着、超音波スプレー蒸着などと同様に、上記の組み合わせ、及び/又は関連技術などを含む、任意のさまざまな溶液蒸着技術により蒸着できることが理解されるべきである。図3は、流体が基板50上に噴霧される1実施形態を示している。図3に示されるように、所望の深さ又は面積の被覆率を得るために、噴霧器は、基板50に対してウエブを横切る方向、及び/又はウエブの下方へ動かされることができる。噴霧中、基板50は固定されても移動されてもよい。蒸着され得る前記流体は、基板50と実質的に同一の温度であることができる。任意に、他の実施形態では、前記流体は基板50より低温でも、基板50より高温でもよい。いくつかの実施形態は、室温よりも高温にするために、前記流体を加熱する。いくつかの実施形態は、流体の蒸着に先立ち、エアー・ナイフを用いて基板を冷却及び/又は清掃する。] 図3
[0078] 基板50がガラス、ソーダライムガラス、ソーラーガラス、強化ソーラーガラス、強化ガラス、非強化ガラス、ガラス−箔ソーラー・モジュール、ガラス−ガラス・ソーラー・モジュール、透明な剛体基板、透明な柔軟な基板、柔軟なモジュール、又は前記の組み合わせであり得ることは注意されるべきである。それらは、バッチ様式でもロール・ツー・ロール様式でも処理されることができる。]
[0079] 基板50への物質の蒸着後に、UV及び/又は熱処理を通じた更なる硬化を行うことができる。UV又は熱源は前駆体物質が反応するために十分なエネルギーを供給する。
本発明が、いくつかの特定の実施形態を参照して記載され、図示されてきたが、当業者は本発明の精神と範囲を逸脱することなく、さまざまな適応、変化、修正、置換、削除、又は操作手段、若しくは手続きの付加が可能であることを理解するであろう。例えば、上記のいかなる実施形態においても、ガラスが最も頻繁に記載されたモジュールの最上層であるが、他の物質も用いることができ、いくつかの多積層物質をガラスの代わりに、又はガラスとの組み合わせにより用い得ることが注意されるべきである。いくつかの実施形態では、柔軟な最上層またはカバーシートを用い得る。非制限的な例として、後板は剛体のモジュールに限定されず、柔軟なソーラー・モジュール及び柔軟な光起電性構築材料との使用に適応することができる。スーパーストレート(superstrate)又は基板の設計と共に用い得るように、本発明の実施形態を適応させることが可能である。この塗布は、透明基板を更に焼き戻し強化することを要せずに適用され得る。前記被覆は、強化ガラス、強化ソーラーガラス、フル・モジュール、非強化ガラス、又は他の透明な剛体基板上の1つ以上の層に塗布されることができる。任意に、前駆体層を含む個々の又は予め切断された基板がその上に設置される、担体が存在することができる。この担体は、次いでこれらの個々の又は予め切断された基板を、処理ステーション(又は複数の処理ステーション)を通じて運搬する。初期設定の一部として、溶液蒸着に先立ち処理される基板の表面は清掃され得る。基板のディップ・コーティング、浴技術、及び/又は他の溶液蒸着プロセスも用い得る。AR被覆中の細孔に水が充填され、被覆のAR性能が低減されることを防ぐために、疎水性及び/又は超疎水性の物質をAR被覆の表面に用い得ることに注意すべきである。任意に、1.2〜1.5の屈折率を持つポリマーなどを被覆表面の細孔の充填に用い得る。任意に、1.2の屈折率を持つものを用い得る。全ての低屈折率ポリマーに限定はされないが、適切な屈折率を持ついくつかのポリマーは、その構造的に無定形のフッ素化されたポリマーを含む。3つのカテゴリーにおける最も優れたデータが紹介された。計算により、フルオロビニルエーテルのポリマーが最も低い屈折率を有する。市販品の共重合体の中で、デュポン社のTeflonAFが最も低い屈折率を有する一方、ホモポリマーとして、旭硝子株式会社のSitopが最も低い屈折率を有する。]
[0080] 更に、当業者は、本発明のいかなる実施形態も、ほとんど全ての型の太陽電池材料及び/又は構造に応用できることを認識するであろう。例えば、太陽電池10の吸収層は、シリコン、無定形シリコン、有機オリゴマー若しくはポリマー(有機太陽電池について)、二層若しくは相互貫入層、又は無機及び有機物質(ハイブリッド有機/無機太陽電池について)、液体又はゲルに基づく電解質中の色素増感チタニアのナノ粒子(集光のため膜を増感するために、電荷移動色素の単層により被覆されている数nmのサイズの酸化チタン粒子を含む、光学的に透明な膜を用いるグレッツェル(Graetzel)セルについて)、銅−インジウム−ガリウム−セレン(CIGS太陽電池について)、CdSe、CdTe、Cu(In、Ga)(S、Se)2、Cu(In、Ga、Al)(S、Se、Te)2、他の吸収剤材料、IB−IIB−IVA−VIA吸収剤太陽電池、他の薄膜太陽電池、及び/又は上記の組み合わせなどの活性物質が、限定はされないが、バルク物質、ミクロ粒子、ナノ粒子、又は量子ドットなどを含む、任意の数種類の形態で存在する吸収層であることができる。前記CIGS電池は、真空、又は非真空プロセスにより形成され得る。このプロセスは、1段階、2段階、又は多段階のCIGS処理技術であることができる。更に、他の可能な吸収層は、無定形シリコン(ドープの有無に関わらない)、微細孔が有機半導体物質で充填された、無機多孔性半導体テンプレートを有するナノ構造層(例えば参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開US2005−0121068 A1号を参照のこと)、ポリマー/混合セル構造、有機色素、及び/又はC60分子類、及び/又は他の小分子、微細結晶シリコンセル構造、ランダムに配置されたナノ・ロッド、及び/又は有機マトリックスに分散された無機物質のテトラポッド、量子ドットに基づくセル、又は上記の組み合わせに基づくことができる。これらのタイプのセルの多くが、柔軟な基板上に形成され得る。前記基板は、限定はされないが、アルミニウム、鋼板、炭素鋼板、ステンレス鋼板、銅、モリブデン、又は(炭素、金、銀、アルミニウムにより被覆された)鋼箔、又は、表面の粗さを低減するために平坦化された金属又は金属化されたプラスチック基板/箔を含む、金属/合金により被覆されたプラスチック箔などの形態の商業的に入手可能なシート状物質であることができる。]
[0081] 任意に、AR機能の更なる改善は、その積層内のさまざまな表面から最大の相殺的干渉を生成する、多層積層の使用により可能である。例えば、2番目の4分の1波長の厚さの層が、低屈折率層と別の表面の間に形成されることができ、この場合、3つ以上のインターフェースからの反射が付加的な相殺的干渉を発生する。ナノ・スケールでの機械的エッチングは、AR被覆として機能する粗表面を作成し得る。例えば、ソーダライムガラスの酸によるエッチングは、エッチングされた溝の山と谷の間に形成される空洞域に起因して、屈折率を約1.27に変化させられる。任意に、より秩序あるナノ構造被覆を、適正に低い屈折率へ接近するために使用でき、この場合被覆物質は空気により薄くされるために、多孔率が最適の合計屈折率を得るための調整機構となる。この多孔率を得るための1つのアプローチは、粒子間接着を促進するために、同様の大きさにされたSiO2のナノ・スケールの回転楕円体を、ゾルと共に焼結することである。代替的に、多孔質のAR被覆は、水性システムを用いて形成された、1%未満の有機成分を持つゾルにより達成され、この場合、AR性能は優れており、機械的強度も高く、耐擦過性も良好である。しかしながら、前記被覆の形成プロセスは、被覆された膜の機能と外観の両方に悪影響を与える、被覆された基板を横切る筋により典型的に示される構造的な不均一性をもたらす。任意に、本発明の実施形態と組み合わされる別のアプローチは、2つの大きさを持つSiO2のナノ・スケールの回転楕円体を含み、この場合、より小さい粒子は、大変に小さい粒子(4〜15nm)の高い容積に対する表面積の比率により与えられる高い化学反応性に起因して、変更された屈折率と良好な焼結(及び、したがって最小の筋を持つ均一な厚さ)の両方に貢献し、より大きな粒子は、変更された屈折率に貢献する。]
[0082] その光学的性質を活用して、これらのナノ構造の細孔は、限定はされないが、光フィルター、導波管、鏡、ビーム分割器、ディスプレー画面などのさまざまな光学装置における光素子として、光又はその光が取る光路の操作に用い得る。]
[0083] これらの性質の任意の組み合わせを活用した追加的な適用は、情報保存及び処理への適用、メモリ記憶装置、メモリ検索装置などにおけるこれらナノ構造の細孔の使用を含む。
更に、本明細書では、濃度、量、および他の数的データは範囲の形式で示すことができる。当然ながら、かかる範囲の形式は、単に便宜と簡潔さのために用いられ、その数値は単に範囲の限界の明示的な列挙を含むのみではなく、更に全ての個別の数値、又は前記範囲に包含される部分的範囲を含み、あたかも各数値が明示的に列挙されているかのように、柔軟に解釈されるべきであることが理解されるべきである。例えば「約1nm〜約200nmの厚さの範囲」という表現は、単に約1nmと約200nmという限界のみが明示的に示されるとのみ解釈されるべきではなく、更に個別のサイズである、2nm、3nm、4nmなど、及び部分範囲である10nmから50nm、20nmから100nm、などなども含まれると解釈すべきである。]
[0084] 本明細書で議論し、又は引用した刊行物は、もっぱら本願の出願日前の開示のために与えられたものである。本願発明が、先の発明により、そのような刊行物よりも前に予期できたものではないことを認めるものとして解釈されるべきではない。更に、与えられた刊行物の日付は、各々に確認される必要がある実際の公表日とは異なっている場合がある。刊行物が引用されているものに関連する構造、及び/方法について開示、及び記載するために、本明細書で言及した刊行物はすべて参照により本明細書に包含される。例えば、2007年11月8日に出願された米国仮特許出願第60/986,442号、及び2007年11月13日に出願された米国仮特許出願第60/987,766号は、参照により、全ての目的において、その全体が本明細書に組み込まれる。]
[0085] 上記のものは本発明の好ましい実施形態を十分に説明するものであるが、様々な代替物、修正物、及び等価物を使用することが可能である。従って、本発明の範囲は上記の説明に関して決定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲と、その等価物の十分な範囲を加えて決定されるべきである。好むと好まざるとに関わらず、いかなる特徴も他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。特許請求の範囲において、不定冠詞「1つの(AまたはAn)」は、別途明示的に指定されていない限り、該不定冠詞に続くものについて1以上の量を意味する。特許請求の範囲は、「〜のための手段」という語句を使用してある請求項において明示的に制限が与えられていない限り、手段+機能の制限を含んでいると解釈されるものではない。]
权利要求:

請求項1
実質的に透明な基板の表面上に形成された多層反射防止用被覆を含む装置であって、前記多層反射防止用被覆は複数のナノ構造の層を含み、前記複数の層に異なる屈折率を生成するために、前記複数のナノ構造の層の各層は調整された多孔率を有し、及び少なくともいくつかのナノ構造の層は、異なる多孔率を有することを特徴とする装置。
請求項2
前記多層反射防止用被覆が階調を持つ屈折率を有する、請求項1に記載の装置。
請求項3
前記ナノ構造の層のそれぞれが異なる屈折率を有する、請求項2に記載の装置。
請求項4
前記各層の多孔率が、その層の屈折率を変化させるために、他のいずれの層の多孔率とも異なっている請求項3に記載の装置。
請求項5
前記ナノ構造の多孔質層が、そのネットワークに入射する可視光のほとんどを捕捉する光学経路を提供する3次元の多孔質のネットワークを画成する、請求項1に記載の装置。
請求項6
前記3次元の多孔質のネットワークが、実質的に透明な基板を通過し、下層にある光起電性吸収体への光の透過率を増大させる、請求項4に記載の装置。
請求項7
波長が約300nm〜約1300nmの入射光の光収集が、少なくとも95%である、請求項5に記載の装置。
請求項8
波長が約300nm〜約1300nmの入射光の光収集が、少なくとも90%である、請求項5に記載の装置。
請求項9
波長が約300nm〜約1300nmの入射光の光収集が、少なくとも85%である、請求項5に記載の装置。
請求項10
波長が約400nm〜約1600nmの入射光の光収集が、少なくとも95%である、請求項5に記載の装置。
請求項11
波長が約400nm〜約1600nmの入射光の光収集が、少なくとも90%である、請求項5に記載の装置。
請求項12
波長が約400nm〜約1600nmの入射光の光収集が、少なくとも85%である、請求項5に記載の装置。
請求項13
前記多層反射防止用被覆が前記基板と同形である、請求項1に記載の装置。
請求項14
前記ナノ構造の多孔質層中のナノ構造を画成するために、細孔が細孔充填物質で充填される、請求項1に記載の装置。
請求項15
前記ナノ構造の多孔質層中のナノ・ワイヤーを画成するために、細孔が細孔充填物質で充填される、請求項1に記載の装置。
請求項16
少なくとも1つの層の中の細孔が透明な細孔充填物質で充填される、請求項1に記載の装置。
請求項17
少なくとも1つの層の中の細孔が以下の1つにより充填される、請求項1に記載の装置:チタニア(TiO2)、有機物質、染料、顔料、又は共役高分子。
請求項18
少なくともいくつかのナノ構造の多孔質層が異なる物質で作成される、請求項1に記載の装置。
請求項19
前記多層反射防止用被覆の最上層のナノ構造の多孔質層が、底部のナノ構造の多孔質層とは異なる物質を含む、請求項1に記載の装置。
請求項20
前記多層反射防止用被覆の最上層のナノ構造の多孔質層がシリカを含み、底部のナノ構造の多孔質層がチタニアを含む、請求項1に記載の装置。
請求項21
前記多層反射防止用被覆の最上層のナノ構造の多孔質層がチタニアを含み、底部のナノ構造の多孔質層がシリカを含む、請求項1に記載の装置。
請求項22
各ナノ構造の多孔質層が以下の少なくとも1つから作成される、請求項1に記載の装置:チタニア(TiO2)、シリカ(SiO2)、アルミナ、酸化亜鉛(ZnO2)、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化スズ、酸化インジウム、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化カルシウムチタン、又は2つ以上のかかる物質の混合物。
請求項23
前記層が、約5nm〜400nmの大きさの範囲のナノ構造の、自己組織化細孔を含む、請求項1に記載の装置。
請求項24
前記細孔の直径が約2nm〜約500nm、又は約40nm〜約100nm、又は約10nm〜約30nmである、請求項1に記載の装置。
請求項25
前記細孔が、約1nm〜約200nm、又は約1nm〜約100nm、又は約10nm〜約50nm、又は約20nm〜約40nm、又は約30nmの平均直径を有する細管細孔を有する、請求項1に記載の装置。
請求項26
前記反射防止用被覆が以下の1つ以上から形成される、請求項1に記載の装置:ガラス、透明な柔軟な基板、ポリマー基板、ソーダライムガラス、ソーラーガラス、強化ソーラーガラス、強化ガラス、非強化ガラス、ガラス−箔ソーラー・モジュール、ガラス−ガラス・ソーラー・モジュール、透明な剛体基板、透明な柔軟な基板、柔軟なモジュール、又は前述の組み合わせ。
請求項27
前記多層反射防止被覆の表面上に保護層を更に含む、請求項1に記載の装置。
請求項28
前記多層反射防止被覆の表面上にUV吸収体を更に含む、請求項1に記載の装置。
請求項29
耐湿性及び耐擦過性層を更に含む、請求項1に記載の装置。
請求項30
前記反射防止被覆の表面上に、保護層として積層されたフッ素樹脂を更に含む、請求項1に記載の装置。
請求項31
前記反射防止用被覆と併せて以下の少なくとも1つを更に含む、請求項1に記載の装置:水又は空気に対する曝露から保護する、窒化物、酸化物、オキシ窒化物又は他の無機物質。
請求項32
多層積層を有する密封剤、又は無機誘電体を有する有機物質の多層積層を含む箔を更に含み、前記密封剤は反射防止用被覆に当接する、請求項1に記載の装置。
請求項33
前記透明な基板から光を受け取る位置に配置されたIB−IIIA−VIA族の光起電性吸収体層を更に含む、請求項1に記載の装置。
請求項34
実質的に透明な基板の表面上に形成された多層反射防止用被覆を含む装置であって、前記多層反射防止用被覆は複数のナノ構造の層を含み、その各層が約2nm〜50nmの空間的尺度内の少なくとも1つの寸法を有する複数の自己組織化ナノ構造を有する装置。
請求項35
前記ナノ構造が細孔である、請求項34に記載の装置。
請求項36
前記透明な基板から光を受け取る位置に配置されたIB−IIIA−VIA族光起電性吸収体層を更に含む、請求項34に記載の装置。
請求項37
多層積層を形成するために、前記膜が被覆され、次いで他の層の間に挟まれ、AR被覆が積層の任意の位置に存在し得る、請求項34に記載の装置。
請求項38
前記被覆が、レンズ、カメラ、顕微鏡、他の光学装置、フィルター、画像ディスプレー、又は薄型ディスプレーの被覆を含む、広範囲の光学的適用に用い得る、請求項34に記載の装置。
請求項39
反射防止膜を形成する方法であって、複数のナノ構造の多孔質層を形成することを含み、その中の各層の多孔率は、ゾル−ゲルのプロセス、界面活性剤によるテンプレート、及び/又はポリマー性前駆体からナノ多孔質被覆を形成し、熱、プラズマ、又はオゾンによる有機部分の分解を用いる方法で調整され、前記ナノ構造の要素は、細孔、充填された細孔、及び/又はチャンネルの内の少なくとも1つを含む、反射防止膜の形成方法。
請求項40
前記各層が規則的配列構造を含み、該構造は約3nm〜約50nmの直径と、隣接する構造との間に約10nm〜約50nmの間隔とを有する、請求項39に記載の方法。
請求項41
前記各層が規則的配列構造を含み、該構造は約10nm〜約50nmの直径と、隣接する構造との間に約10nm〜約50nmの間隔とを有する、請求項39に記載の方法。
請求項42
前記各層が規則的配列構造を含み、該構造は約10nm〜約500nmの直径と、隣接する構造との間に約10nm〜約500nmの間隔とを有する、請求項39に記載の方法。
請求項43
前記多孔質層中の複数のナノ構造を画成するために、実質的に細孔を細孔充填物質により充填する、請求項39に記載の方法。
請求項44
前駆体物質及び溶媒を含む処理溶液の形態で提供される有機細孔充填物質を用いる、請求項39に記載の方法。
請求項45
各ナノ構造の多孔質層が、約50nm〜1μmの厚さである、請求項39に記載の方法。
請求項46
ナノ構造の多孔質層中の構造を画成するために、細孔を細孔充填物質で充填し、構造間に間隔を持つ多数の構造を残すために、ナノ構造の多孔質層を除去する、請求項39に記載の方法。
請求項47
前記ナノ構造の層が、自己組織化プロセスを用いて形成される、請求項39に記載の方法。
請求項48
前記ナノ構造の層が、ゾル−ゲルのプロセスを用いて形成される、請求項39に記載の方法。
請求項49
前記各ナノ構造の層が、溶液蒸着プロセスを用いて順次形成される、請求項39に記載の方法。
請求項50
前記複数のナノ構造の層が焼結をすることなく形成される、請求項39に記載の方法。
請求項51
前記層が単一の蒸着工程により形成される、請求項39に記載の方法。
請求項52
前記反射防止膜が、個々の太陽電池上に形成される、請求項39に記載の方法。
請求項53
前記反射防止膜が、ソーラー・パネルの実質的に透明な最前部の層上に形成される、請求項39に記載の方法。
請求項54
前記反射防止膜が、ガラスを持たない太陽電池の上に直接形成される、請求項39に記載の方法。
請求項55
実質的に透明な基板の表面上に形成された単層の反射防止用被覆を含む装置であって、前記反射防止用被覆が、約2nm〜50nmの空間的尺度内の少なくとも1つの寸法を有する複数の自己組織化ナノ構造を含む装置。
請求項56
反射防止膜を形成する方法であって、単一のナノ構造の多孔質層を形成することを含み、該多孔質層の多孔率は、ゾル−ゲルのプロセス、界面活性剤によるテンプレート、及び/又はポリマー性前駆体からナノ多孔質被覆を形成し、熱、プラズマ、又はオゾンによる有機部分の分解を用いる方法の内の、少なくとも1つにより調整され、前記ナノ構造の要素は、細孔、充填された細孔、及び/又はチャンネルの内の少なくとも1つを含む方法。
請求項57
反射防止膜を形成する方法であって、第一の多孔率を有する第一のナノ構造の層を形成すること、及び細孔直径を変化させること、第二の多孔率を有する第二のナノ構造の層を形成すること、及び細孔直径を変化させること、並びに第三の多孔率を有する第三のナノ構造の層を形成することを含み、異なる細孔のサイズに起因して、各層が異なる屈折率を持ち、上記の層の組み合わせにより画成される多孔質のネットワークが、該ネットワークに入射する可視光のほとんどを捕捉する光学経路を提供する、反射防止膜の形成方法。
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